今月の三輪山(会員)
2015年3月の“お山紀行記”
明け方まで降り続いた雨は上がり、仰ぐ三輪山は洗われたように美しく、木漏れ日は暖かく頬を撫でてくれる。
3月4日はいみじくも旧暦“初卯の日”。狭井神社で、お山準備の鈴木宮司様御夫妻と遭遇した。毎月お休みをとって登拝をなさっている由。
今月の「お山仲間」は総勢22名。天候の心配もなく、皆さん晴れ間に輝く顔付きだ。
水量を増した狭井川のせせらぎに耳をそばだてると、そこかしこで多彩なメロディーが奏でられているかのようだ。
合いの手を入れるように、行列の前や後ろから、大小・高低さまざまなクシャミが聞こえてくる。楽器にたとえれば何だろう?・・・と考えているうち、筆者の鼻もムズムズと堪えがたく、大きな一発を奏でてしまった。
奥津磐座では穏やかな陽気のもとで祈りを捧げた。
ところが「龍神の磐座」に着いた途端、つむじ風が唸りを生じ、樹々のざわめきはすさまじく、寒気が下方から押し寄せてくる。
根本先生の解説。「この現象は“龍神の風”と呼ぶ。“現れ御魂”の象徴であり、仕事上や事業によっては、この大きな気流に乗って進めば良い」と云う意味のお言葉。
下山路は、登拝する人々の足に練られた土が益々ぬかるみ、立止ってもよく滑る。
しかし吾等が仲間は三々五々、手を数珠つなぎにして助け合い、事無く下山した。
今日もまた「美和の心」をの当りにして、心からの幸福感に浸れた。
(記) 畠山