言霊について2

言霊について2

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《言霊について2》 三輪山のみ言葉と祈りー困難に直面した時の祈り

私はかって三輪山中で、祈りと言霊について次のように聞いた。

「あなた方が困った時、どうしたらよいか一つ教えましょう。祈りなさい。祈りの言葉、祈ることこそ道が開けます。祈りは心の拠り所。あなたは信じるものを言葉にして祈りなさい。真言、祝詞など、あなたが信じていることを、恥じることなく、迷うことなく、心の拠り所となる言葉を祈りの言葉として祈りなさい」 「悪しき言葉を吐くではない。その言葉は自らの身を通り、音霊となり、その心を揺さぶるであろう。悪しき思いに止まらず、悪しき言葉もまた同じであると覚えよ」

人の心は弱いものですから、いろいろな困難や災難にあった時、戸惑い不安にかられやすいものです。人生における主要な苦について仏陀は四苦八苦と喝破しています。四苦とは生・老・病・死のこと。この四苦にさらに四苦の愛別離苦(あいべつりく- 愛する者と別離すること)、怨憎会苦(おんぞうえく- 怨み憎んでいる者に会うこと)、求不得苦(ぐふえく- 求める物が得られないこと、五蘊盛苦(ごうんじょうく- (人間の肉体と精神)が思うがままにならないこと)を加えて八苦としたのです。

まず困難にぶち当たった時は、箇条書きでよいですから、心の思いを書いてみることです。書くことによって頭と心が整理されてゆきますから、どうにもならないもの、解決に時間がかかるもの、きちんと努力すれば解決できるものに分け、可能なものから実行に移してゆけば良いのです。自分に解決不能と思われる事項は神に任せて祈ればよいのです。そして祈りの要諦が上記のみ言葉です。祈り結果の程度はともかくとしても、祈りが三輪の神に通じれば、必ず天佑神助があります。必ず助けられるものは助けられ、軽くできるものは軽く済ませてくださいます。 祈り方は何も大祓の祝詞を全部読む必要はなく、「幸魂奇魂守りたまえ幸はえたまえ」の祈りの言葉に自分の心を載せて力まず、軽やかに響かせればよいのです。ともすると人は神に祈るとき、情を込めがちですが、さらりとした方がより遠くまで響くのです。情を入れ過ぎると言葉が重くなり、遠くまで響かなくなります。そして社の奥の禁足地や奥津磐座を心に描き、そこまで響かせるイメージが大切です。 言葉のバイブレーションは最も原初的なエネルギーなのです。人を説得する場合でも情を入れ過ぎず、説得しようと思わず、力を入れず、自分にも相手にも良いと思うことを素直に響かせることが肝要なのです。人間もまた感情優位の動物ですから あまり理詰めで強く押しすぎると抵抗する心が相手に生じかえって上手くゆかなくなるものです。これはという時は心に三輪山を描きながら話をするとよいでしょう。何か失敗して相手に謝るときは、あまり理屈をこねず120%で謝ると陰から陽へ逆転現象が起きます。アサヒビールの樋口廣太郎会長は「謝るときはもう5センチ頭を低く」と言われましたが、これも同じことを指しています。もしあなたの相手が間違いを犯して貴方に謝りに来た時、相手が50‐60%で謝られても貴方はおそらく納得しないでしょう。100%で謝られたなら、貴方はまあしょうがないと納得するでしょう。しかしもし120%で謝られたら貴方はどう思うでしょうか?おそらくそこまで謝らなくてもよいと思い、彼の失敗したことのマイナスよりも彼の謝る態度に共感をもち、何か助けてやりたくなるはずです。つまり120%の謝罪は失敗を超えてプラスに転じることになるのです。ここにも言霊の妙味があるのです。