言霊の力と用い方
〈言霊の力と用い方〉 根本幸夫
私はかって三輪山で、言霊について、次のように聞いた。
「予言による力は与えません。予言によって多くの人が集まるでしょうが、やがて予言を求める人たちに貴方は潰されます。予言によるのではなく、言霊にこそ寄りなさい。言霊の力は無限です。貴方にとっても他の人にとっても良いと思うことを、言葉にして、心をのせて話し、響かせればよいのです。」
さらに次のようにも聞いた。
「人の心がくもり過ぎています。心のくもりは厚いのです。その人の何年分が積もっています。自分の心のくもりの多くを口に出し過ぎてはいけません。苦しみから逃れ、避けるのではなく、必ず心の奥を見つめ、見極めるのです。ただ口から出る言葉は決して言霊にはならないのです。
それぞれの人が持つ、それぞれのよき心から言葉を発する時、言霊となるのです。言霊こそ神に通じ、人にも響き、相手を動かすのです。あなたがたの相手の中で言霊が通じない人はいません。
言霊の何たるか、その力の大きさを今こそ知る時。まずそれぞれ自身の心を見つめることから始めなさい。
皆に言います。決して苦しみ過ぎると思わないように。あなた方はそれにより眼、で見るのではなく、心で見ることができ、心で聞くことができるようになるのです。
それは何よりも大切なもの。大切なこと。そして光への道に通じることなのです。
あなたたちはそれぞれ愛を求め、またすでにそれぞれに愛を持っているのです。まずその愛に気づきなさい。
気づく時こそ今来たり、気づく時こそ今来たり。何十年の闇の過去なぞ何になろう。
気づくことこそ光である。」
言葉が言霊となるためには、自分の心の底をしっかり見つめ、自分の心をよく知り、心の底にある良きものから出た言葉が言霊となるのです。もう少し軽めに言えば、自分にも相手にも良いと思える言葉に自分の心をのせて相手の人に響かせればよいのです。説得するのではなく響かせることが大事なのです。言葉の響きこそ、人の持つ原初的、かつもっとも基礎的なエネルギーなのです。神に対する祈りもまたしかりです。相手の人や神を通して木霊のようにあちこちに響いて言(事)の具現化が図られるのです。