大神神社献詠祭ご挨拶
献詠祭・奉響会・神前舞奉納御礼のご挨拶
大神神社献詠会代表 根本幸夫
11月3日、大神神社における第10回目の献詠祭・奉響会・神前舞奉納を無事終えることができました。これも偏に皆様のおかげと感謝する次第です。
日本最古の神社であると同時にもっとも神力の強い大神神社の拝殿において、定期的に祭りとして奉納することができるということは滅多にない希有なことであります。
また献詠されたすべての歌は神前にて奉納されたことをご報告いたします。
歌は古代祝詞でありました。今後とも上手下手を超えて、皆様の心を歌に込めて三輪の大神様に献詠していただきたいと思います。
「磐座に射せる光もわが影もただやはらかし歳晩の三輪」
大和ゆかり(大石雅子)さんのコメント
この度は、身に余る賞をいただき本当にありがとうございました。
美和会では、毎月三輪山にお山させていただく際、磐座にて、一人一首神様への献詠をいたしております。早いもので、この献詠は8年目となりました。
三輪山には四季折々の顔があり、またお山する時の自分自身の心によっても、その風景が変化します。その時々の気持ちを歌に留め、神様に向かって詠じる機会をいただいていることは、とても贅沢な在り様だと思います。今回賞をいただいた歌も、その際に作ったものです。多くの方とお山を重ねた歴史の上に頂いた賞として、これからも詠うことを大切にしてゆきたいと思っています。
「くれなひの椿は朝の日に映えて三輪山道の標となりぬ」
石尾喜美子さんのコメント
この度は思いがけない賞を頂き本当に驚きと感激で一杯です。
短歌を始めて季節の移ろいや自然に眼を向ける様になりました。作品のお山の紅椿はまだ私の中に残像がある程です。これからも小さな感動を大切にして行きたいと思います。
身に余る賞を頂きました事これも短歌へと導いて下さった根本先生、拙い作品を何時も優しくご指導下さる藤岡先生、緒先輩方の暖かいお力添えの賜物と心から感謝申し上げます。
「ゆつくりと海が夕陽を呑まんとし光はゆらぐ大気の中に」
鈴木久美子さんのコメント
この歌は私の故郷、佐渡の真野湾に沈む夕陽を詠ったものです。夏の夕方、夕陽を見るために、私はよく浜辺に出かけました。
或る日、海が夕陽を呑み込むという光景と、光が大気の中で揺らぐ現象とが、私の心に届いたのです。今想えば、私の心の眼が、揺らぐ私の生命を捉えたのでしょうか。私の魂を過去の記憶と今の心境と重ね合せることにより、新たな私を見いだそうとする自分自身を表現しようと試みてみました。