美和会会員の方へ〔最強の祈り〕について            根本幸夫

美和会会員の方へ〔最強の祈り〕について            根本幸夫

美和会会員の方へ〔最強の祈り〕について            根本幸夫

第一回〈祈りと心と運命〉―運命を変える祈りの概論

はじめに

私が七〇歳の時、三輪の夜詣り後の夜、夢で自分の葬送の夢を見た。古い時代の白装束の行列が先頭に南無阿弥陀仏の白旗を二本掲げて白い棺桶を担いで、山の中腹の洞窟に向かって進んでいる。中には私の骸が収まっている。あの世に向かっているのだと声がひびく。その夢を見た数日後、私は大腿骨を骨折した。その後さらに腰椎の手術を受け、現在私の背中には一四本のチタンの棒が入っている。三輪詣りした後の夢はほとんど具現化しているから、本来の運命であればその時死んでいたのであろう。現在の私は三輪の神の加護によって生かされていると思っている。令和になってから多くの人に支えられながら三輪の月参りに復帰したが、徐々にお詣りする心に変化が起こってきた。初めは漠然としたものであったが、今年の秋以降、「祈りとは何か」が顕著にわかるようになった。理解するというより、絶対的直覚と言ってよいものであるが、今回はその概要について述べることにする。これから述べることはいわゆる常識とはかけ離れる所が多いと思うが、ぜひとも信じて実践してほしい。必ず豊かな人生をおくる為の大いなる糧となるだろう。

 

1心の構造  

心は表層意識と深層意識に分かれ。表装意識は理性と感情から構成されるが、感情は理性よりはるかに優位である。例えば、美容上甘い菓子は避けるべきだと理性は思っても身近に菓子があれば多くの人は、好物の菓子を食べる感情的欲求に負ける。

〔心の構造〕

1-3

深層意識は無意識とか集合的無意識とか潜在意識と言われるもので、表層意識にくらべはるかに大きく、少なくとも10倍以上は大きく、ここには元気の元があり、外界ともつながりを持ち、更には神界とも霊界ともつながりを持つ。ここでは現在、過去、未来の時間が交錯している。霊能者の予言などはここで情報を察知しているのである。人生の方向を決定づける根源ともいえる。

 

2思いは無意識界を通じて、体外に出て運命を誘導する。

思いはその人の心の中だけで完結するものではなく、心から外界に出て現実にする力を持っているのである。

「何となく」、「虫が知らせる」、「噂をすれば影」などはみなこの範疇にはいる。これらはみな無意識界が動いて外界へ出て現実とリンクさせるのである。つまり無意識界を意識によって動かすことができれば、その人の夢や願いが実現しやすくなるのである。

「敷島の大和の国は言霊の助くる国ぞま幸きくありこそ」、これは『万葉集』(759」に載る柿本人麻呂の歌であるが、古代の人も思いが言霊として体外に出て、具現化することを知っていたのである。

 

3思いを具現化する最強の祈り

何事も強く思えばかなうという人もあるが、これはごく一部の真実にすぎない。

最強の祈りとは、理性と感情と無意識界を一体化できた時、個人としては最も強い具現化力が発揮しやすくなるが、さらにその思いの具体化を最強にするには神とも一体化するのである。神と一体化する要諦は「六根清浄祓」の祝詞にある。そして祈るべき神を選ぶべきである。神は悪しき願いに力を貸すことはないが、祈りが神と一体化すれば、祈りを数倍も強くし、届く範囲も数段広くなるのである。分かり易く言うと、誠に不遜なる言い方であるが、神は吾々の心のエネルギーの増幅を主ってくださるのである。

「思い」―「感情」―「理性」―「無意識」―「祈り」―「神」

と一体化させることによって祈りは最強の具現化力をもつのである。

 

4祈りを最強にするための諸注意

  1. :願はシンプルに:無意識界は混沌としているので長い理屈や祈りは適切でない。出来るだけ祈りをシンプルにして心に思い描くようにする。ワンフレーズにするか、象徴がよい。受験生であれば合格掲示板にある受験番号、入学式の校門での記念撮影、自動車運転免許証、神前で結婚式を挙げている自分の姿などできるだけ具体的なものをカラーで心に描く。シンプルでないと無意識界を動かせない、あれもこれもと念じていると商店がぼけてしまう。
  2. 言霊とする:自分の願望や祈りは折に触れて言葉に出して言霊として発するのが良い。言霊にするには言葉に自分の心を乗せて、明るく軽く話すのである。感情を込めすぎると言霊は遠くまで飛ばない。
  3. 祈りは3分以内とする:長く祈っていると否定的な感情が出て、マイナスに働くからである3分間祈ったら祈りをリセットして忘れるとよい。長く考えていると否定的な感情が出てくるので。祈る時間帯は夜寝る時か朝起きた時、中途覚醒した時など、感情や理性が波立っていない時が良い。
  4. 否定的な考えは排除する:「でもしかし」、「私なんか」、「私頭が悪いから」、「昔から運が悪いから」、「こんなこと祈っても」などの否定的な思いはすべて排除する。祈る際はブレーキをはずし、アクセルのみ踏み込むこと。
  5. 願いがかなった姿をイメージする:努力している過程ではなく年願成就した形を思う。今の自分の状態、レベルは考えない。
  6. プライド、いいかっこ、コンプレックスは捨てる:祈る時、プライドほど邪魔するものはない。まっさらになって素直に祈るのが良い。同様にこだわりも捨てるべし。コンプレックスもプライド以上に厄介であるが、これも捨てなければならない。コンプレックスをなかなか捨てられない人は、自分のコンプレックスを紙に書き出し、書いた紙を破り、丸めてごみ箱に捨てる動作を毎日続けていると捨てられる。
  7. 自信を持つ:自分の願うことに対して、心の底から自信がわき出てきた時は必ず願いは成就する。いつも不安な思いに取り付かれていると成就しにくい。不安になった時は強い心で3分祈るようにするとよい。祈りに際して不安は敵、自分を信じて祈ること。
  8. 祈る神は三輪山の神が最強である:祈りの時は三輪山で祈っているイメージがたいせつである。神社は三輪山以外では各地の一之宮がよい。桜木町の伊勢山皇大神宮には三輪山の磐座を勧請してあります。
  1. 多くの仲間とお詣りする方が祈りの力が強くなる:北条時宗の言葉に「神は人の敬により、その威を益す」とあるように、お祭りもそうですが、一人より多くの人が集い美和の形をとって祈ることが神の威をますのです。